VWごまかしに思うこと
やっぱその分野の専門家「ん?どうしてこんなことが可能なんだ?」と思うようなことは、それなりのからくりがあるものだ。よく「他社が真似できない技術」とか言われるけど、技術そのものは専門家同士ならあらかた見当がつく。「たぶんこういう技術を極限まで特化して使ってるんじゃなかろうか」みたいに。
専門家同士はたとえ知らないことでも、ポイントを押さえて質問してくる。だから名乗らなくても「ああ、この人は同業者だな」とわかる。展示会とかデモしている場とかでもね。極端な話3往復ぐらいの会話で済んでしまう。「こういう問題をどう処理してるんですか」「ああ、それはこのように割り切ってるんですよ」「それだとこういう時困りませんか」「それはこう回避してまして」「でもそれだとさすがにこの場合は無理でしょう」「はい、それは無理です、この方式の限界です」みたいな。
商売で真似できない部分というのは、狭義の技術そのものではなくたいてい品質の安定性や大量生産やコストなど、もっと現実的な部分。むろんそういうものも広義には技術ではあるけど。 あとは微妙なバランス。コカコーラのレシピみたいな(笑)。バランスは長年の経験とデータの蓄積だから、同じぐらい歳月をかけて研究するか、データそのものを盗むかしないと、簡単に真似するのは難しい。でも何度も言うけど原理的な部分は、だいたい分かる。
でも素人には当然だけどそれがわからない。「○○社は他社が思いもよらないすごい技術をもってるんだ」と。んでいつもの疑似科学の話になるけど、やっぱ専門家が無視しているものというのは、それなりの理由がある。「○○社の技術はなんかおかしい、どこかに落とし穴やカラクリがあるのでは」と。そういうのはほぼ確実に当たる。誇張じゃなくて。
ただそのカラクリを立証するとなると、それなりに実証に手間を掛けなければならない。たいていそういう作業は不毛。よほど利害関係が対立してるケースでなければ、他社のそういう部分を暴くというのはやらない。リスクも大きいし得るものはほとんどない。嘘はいずれバレるだろうし。だから批判も反証もされずに放置されている。
でもそういうのをアマチュアや三流ジャーナリストが掘り起こして「頭の硬い専門家が黙殺している知られざる技術!」みたいに騒ぎ立てたりする。
自分が質問される側の立場だったらと想像すればわかると思うけど、やっぱ相手の知識を値踏み、それに合わせた説明をするんだよね。この人は全然わかってない素人だと思えば、素人向けの「わかりやすい」説明をする。利点を中心に。「するどいところを突いて来て安易なごまかしなできないな」と思えば、それなりにレベルの高いまともな説明をするし、欠点も素直に認める。その方が意思疎通が早い。
「自分はいつもなんかごまかされている」と感じる人は、冷たいようだけど本人に原因があると言わざるをえない。困るのは無知なのに、猜疑心だけ強い人。そういう人はもっと高度な手段で誤魔化されるだけ。無知な人間に世の中は優しくない(苦笑)。やっぱちゃんとした説明を受けたいなら、それに相応しい「理解するための努力」をするのが一番近道。
これ心を開くという問題もそうだと思う。いきなり仲良くなれる。「迫害感」という制約と「共有」何だと思う。「他の人でこれがわかってるのはほとんどいない。例えば今この場に俺とおまえだけ。」ということ。そいつらが今一緒にいるっていうこと。
話の内容が深くタイトであれば専門家は一瞬にして心をひらいてくれる。
昔コーネリアスの音響処理でジュリーワタイさんの音楽担当の三島さんあって二言目に「はじめまして三島さん。ずっと気になったたんですけどポイントオブビューポイントなどのアーって伸びてるやつは波の安定している箇所の波の継ぎ目のところを非破壊なエディタでつなげてるだけですか?それだけじゃないように安定して聞こえて他のこともヤってそうにきこえるのですが波の周期とか揃えたりしてます?」っていったら「その通りだ。波の周期はあわせてない。継ぎ目揃えて0.7秒くらいで波数週分のところコピペしてることしかやっていないよ。なにものだあんたw」といわれて仲良くなった。ジュリーワタイさんにも「ヤバ過ぎますwなにものwSVの復刊責任者って聞いてたんですけどサウンドエンジニアなんですかw」みたいな。
NY卒の外人にあった時に「結構いったよ」っていったら「僕は生まれ育ちがチャイナタウンのあたりなんだよ」「だいぶヒップになって打ち捨てられた感じするっすよね」って突っ込んだテーマでいったら「そうそうそう。。ジェントリフィケーション。。。」「なに?」「ジェントリフィケーションって英語でいうんだ」「あー。like now Williamsburg gentlificated?」っていったら「おおyou are great」にスイッチ入ったのはわかる。そのままその人がNYUで理系やっていて、そのあとなんとジュリアード卒であるという話をカミングアウトして「天才じゃん」って話をして「日本でこれの意味を理解した人は君だけだしわかりゃしないから話したのも初めて」って言われてた。それ以来友達になった。彼はめっちゃあたまいいし、お父さんやお兄さんITの企業の社長って感じだけど日本では英語の教師やっていて適当に過ごしててみんなにそう思われてて、「みんなにはすごくないとおもわれるように嘘を付いている」という迫害感があるんだと思った。
よく、人脈作りたいタイプの人に、なんでそんなに人脈すごいんですかって言われるけど、それは専門性が高いからでよく学んでいるからだと思う。八方美人でないからこそだと思う「編集者だと誤解してた。名刺にはプログラマーって名乗ってあるし経営者と紹介されていたりしていて、結局なにやってんのかわからない人」として僕は登場するんだけど「音楽エンジニアリングのド専門家しかできない」質問があったら有無をいわさず「そいつがなにものであるかなんて関係ない」状態になる。

